分譲マンションや戸建のリフォームでフローリングの床を変える際に、何色がよいのかわからずに困っていませんか?
床の色は種類が豊富な上に、家具やインテリアとの相性を考えると何色がよいのか迷ってしまいますよね。
このような悩みをお持ちの方に向けて本記事では、以下の内容を紹介します。
- 床の色の選び方
- 床の色の特徴
- 家具との色の組み合わせ
私はインテリア業界に約10年勤め、インテリアコーディネーターとして内装のカラー選定も行っていた経験があります。
本記事を読むと、適切な床の色を選択できるようになり、リフォームした新居で素敵なインテリア空間を作れます。
床の色の選び方|インテリアの重要なベースカラー
床の色を選ぶ際に重要なのは、色が変わった後の空間を具体的にイメージすることです。
具体的なイメージが可能であれば、部屋に合うか、好みのインテリアになるのかを判断しやすくなります。
具体的なイメージのために、以下の内容を確認しましょう。
- インテリアの配色を考慮して選ぶ
- 家具や壁との調和を考えて選ぶ
- 採光や部屋の用途に合わせて選ぶ
インテリアの配色を考慮して選ぶ
床の色は、部屋に占める面積が広いインテリアのベースカラーとなるため、空間全体の配色を同時にイメージするとおしゃれな部屋を作りやすくなります。
全体の配色をイメージできれば、配色バランスを考えやすく、統一感のある美しい空間を作れます。
インテリア配色を検討する際は、基本的に以下の3種類に分けて検討しましょう。
・アソートカラー:カーテン、ソファ、ラグ、テーブル
・アクセントカラー:インテリアグリーン、絵画、クッション
ベースカラーは、部屋の中で最も視界に入る面積が広い床・壁・天井の色を指します。
ベースカラーの色や素材によって、部屋の印象がガラっと変わります。
アソートカラーは、ベースカラーの次に面積が広くインテリアのポイントになるソファやカーテンのことです。
アクセントカラーは、部屋のなかで目立たせて視線を集める色になるものです。
小物や雑貨で取り入れることが多く、インテリアグリーンや絵画、クッションをアクセントとして使用してみてください。
【ベースカラー:アソートカラー:アクセントカラー】の配色比率を、【70:25:5】の黄金比にすると、インテリアカラーのバランスを取りやすくなるでしょう。
家具や壁との調和を考えて選ぶ
フローリングの床の色を選ぶ際には、「家具や建具と色を合わせる」「壁の素材と共通点を作る」「家具と色を合わずにバランスを取る」など、インテリアの調和を取れるように検討しましょう。
壁の素材は、主に以下の5種類があります。
- 塗り調クロス
- 織物調クロス
- 凹凸のないマット調のクロス
- 塗り壁(左官仕上げ)
- その他
赤茶色のフローリング(チーク材やチェリー材)と織物調クロスの組み合わせは、あたたかみのある部屋を作れます。
壁の仕上げ、床のコーティングによっても雰囲気が変わるため、部屋の仕上がりを具体的にイメージすることが重要です。
採光や部屋の用途に合わせて選ぶ
床の色選びは、「どのような部屋にするのか」「誰が使用する部屋なのか」を検討することも大切です。
例えば、明るい部屋にしたい子ども部屋は、明るいナチュラル色のフローリングが適切な場合があります。
一方で、暗めの落ち着いた雰囲気にしたい寝室は、ダークブラウン色(ウォールナット材)のフローリングがおすすめです。
また、採光が取りにくい部屋には明るい色のフローリングを選び、部屋が暗くならないように注意しましょう。
床の色(木材)の特徴
フローリングの床は無垢材や挽板など実際の木材を使っている場合、色味の経年変化や耐久性などに特徴があります。
フローリングの床について、以下の特徴を確認すると色選びの失敗を防止できます。
・ライトブラウン色(オーク材)
・ブラウン色(オーク材)
・ダークブラウン色(ウォールナット材)
・赤茶色(チェリー材)
・濃い赤茶色(チーク材)
・ホワイト(ホワイトオーク材)
・グレー(オーク材などに塗装)
ナチュラル色(メープル材)
メープル材のフローリングは乳白色から淡い赤みを帯びた色合いと、滑らかで光沢のある木肌が特徴です。
柔らかな木目が視覚的に優しい印象を与え、明るく清潔感のある部屋を作れます。
また、湿度や温度変化による寸法変化が少なく、安定性も高いため扱いやすい素材です。
経年変化で黄味がかった飴色に深みを増す点も、天然素材ならではの魅力です。
ブラウン色(オーク材)
オーク材のフローリングは、高い耐久性と美しい木目が特徴で人気の床材です。
密度が高く硬いため傷がつきにくく、耐水性にも優れています。
オーク材も湿度変化による伸縮が少ないため、安定的に使用できる素材です。
オーク材にはさまざまな色味があり、濃いブラウンから明るいベージュまでの幅広い色調が魅力です。
また、板目や虎斑など多様な木目も自然の木そのものとして楽しめるでしょう。
清潔感があり、埃や汚れが目立ちにくい点もポイントです。
その汎用性と美観から、賃貸住宅から新築住宅まで幅広く使用されています。
ダークブラウン色(ウォールナット材)
ウォールナット材のフローリングは、紫がかった濃いダークブラウン色や暗褐色の深みのある色合いと、直線的で整った木目が特徴です。
濃淡のあるマーブル模様や美しい木目が高級感を演出します。
経年変化により明るい茶色へと変化し、使い込むほど味わいが増します。
長い時間をかけて経年変化を楽しみたい方には、うってつけのフローリングです。
価格は高めですが、高級住宅やモダンデザインを重視する空間で広く採用されています。
ウォールナットの特徴やウォールナットを使用したコーディネートについては、こちらの記事もご確認ください。
>>>ウォールナットの床|特徴とインテリアのコーディネート方法を解説
赤茶色(チェリー材)
チェリー材のフローリングは、淡いピンク色から始まり時間をかけて赤みのある美しい飴色に変化する経年変化が特徴です。
柔らかな曲線の「リップルマーク」や黒い筋状の「ガムポケット」といった個性的な木目が独特の表情を生み出します。
滑らかな触感で、導管が少なく表面が均一なのもきれいに見える要因です。
重厚感とあたたかみのある外観で、多くの住宅に使用されています。
濃い赤茶色(チーク材)
チーク材のフローリングは、美しい木目と濃い黄金色や茶褐色の独特な色合いが特徴です。
経年変化により深みのある飴色と自然な艶感が増し、無塗装でも光沢感を感じる美しい木材です。
以下の機能に優れており、長期間美しさを保ちます。
- 耐久性
- 寸法安定性
- 耐水性
- 耐虫性
- 耐腐食性
- 傷や反り
- 害虫被害
世界三大銘木の一つにされている高級木材として価格は高めですが、その美観と機能性から、世界中で高級フローリング材として使用されています。
ホワイト(ホワイトオーク材)
ホワイトオーク材のフローリングは、茶色や黄褐色を基調とした落ち着いた色合いと、まっすぐで均一な木目が特徴です。
硬さと耐久性に優れ、長期間にわたり美しさを保つことができる堅固な材質で、レッドオークよりも硬く重い特性を持ちます。
シンプルで清潔な印象から、さまざまなインテリアスタイルに調和するフローリング材として高く評価されています。
グレー(床材に塗装)
グレー色のフローリングは、自然な木目を残しつつモダンで洗練された印象を与え、トレンド感のある空間作りに最適です。
ライトグレーは爽やかで涼しげなブルーと相性が良く、ミディアムグレーは高級感のあるシックな雰囲気を演出します。
また、ブラックやホワイトの家具や建具とも調和し、モノトーンのモダンで落ち着いた空間を作れます。
グレー色のフローリングは、モダンからラグジュアリーまで幅広いスタイルに対応し、トレンドを意識した部屋作りに適しています。
床の色と家具の色の組み合わせの例
床と家具の色の組み合わせ次第でおしゃれな部屋を作れます。
実例を踏まえて色の組み合わせを検討しましょう。
床の色 | 家具の色 |
---|---|
ナチュラル色(メープル材) | ナチュラル色(メープル材) |
ブラウン(オーク材) | ブラウン(オーク材) |
ブラウン(オーク材) | ブラック |
ダークブラウン(ウォールナット材) | グレー |
赤茶色(チェリー材) | ホワイト |
濃い赤茶色(チーク材) | ブラウン(オーク材) |
ホワイト(オーク材などに塗装) | ブラック |
ホワイト(オーク材などに塗装) | ホワイト |
ナチュラル(メープル材)とナチュラル(メープル材)の組み合わせ
床と家具がメープル材のナチュラル色で統一されている場合、明るく広がりを感じさせる空間になり、優しい木目から漂うぬくもりが特徴的です。
例えば、以下の床とダイニングセットがナチュラル色で統一された部屋では、統一感が生まれてスッキリとまとまりのある印象が生まれます。
ぬくもりを感じられるナチュラルスタイルのインテリアにぴったりです。
淡い色調が特徴のため、クッションやラグ、インテリアグリーンなどで暖色系やグリーン系のはっきりとしたアクセントカラーを加えると個性が際立ちます。
全体のバランスが取りやすく、穏やかで洗練された空間を楽しめます。
ブラウン(オーク材)とブラウン(オーク材)の組み合わせ
床と家具がブラウン(オーク材)色で統一されている部屋は、落ち着きと重厚感が漂います。
オーク材特有の深みのある色味と力強い木目が、自然なぬくもりのある雰囲気を演出します。
以下の画像の空間は、床とダイニングセットがオーク材の色味で統一されたぬくもりのある空間です。
ブラウン(オーク材)色とブラックの組み合わせ
ブラウン(オーク)色の床にブラックの家具が設置されている空間には、重厚感とナチュラルモダンな高級感が漂います。
ブラウン色の床が自然なあたたかみを演出し、濃い色の家具が空間を引き締めることで落ち着いた空間となるでしょう。
以下の画像のリビングでは、ライトブラウン色の床にブラックのソファとブラックのテレビボードがバランスよく配置されています。
上記の部屋は窓から十分な採光が取れており、リビングテーブルもオーク材にすることで明るく、統一感のある空間になっています。
ダークブラウン(ウォールナット材)とグレーの組み合わせ
ダークブラウン(ウォールナット)色の床とグレーの家具を組み合わせた部屋は、落ち着きとモダンさを融合させた空間になります。
以下の画像のリビングでは、ウォールナット材の床は重厚感と落ち着きを演出し、グレーのソファとラグがモダンさを加えています。
上記の組み合わせは、リラックス感と現代的な雰囲気を両立させるのが特徴です。
また、グレーはほかの色と調和しやすいため、別のインテリアスタイルの部屋でも適度に取り入れることがおすすめです。
赤茶色(チェリー材)とホワイトの組み合わせ
赤茶色(チェリー材)の床とホワイトの家具を組み合わせると、上品で洗練されたモダンな空間を作れます。
チェリー色の床はあたたかみがありつつ高級感を持ち、リビング全体を華やかに見せられます。
一方で、ホワイトの家具は明るく清潔感があり、空間に軽やかさをプラスできるでしょう。
チェリー材の床にホワイトの家具を組み合わせるのは、家具のデザインと全体的なバランスを慎重に検討しなければいけません。
例えば、以下の画像のような部屋です。
革張りのソファの明るいホワイトが、深みある床のチェリー材とコントラストを生み出し視覚的な広がりを感じさせます。
さらに、濃いグレーのラグが床とソファをつなぐためにバランスを取っています。
上記は床の色を活かしながら、複数の色彩を組み合わせたインテリアコーディネートです。
濃い赤茶色(チーク材)とブラウン(オーク材)の組み合わせ
濃い赤茶色(チーク材)の床とブラウン色(オーク材)の家具の組み合わせは、自然なぬくもりと落ち着きのある上品な空間が生まれます。
例えば、チーク材の床とオーク材のダイニングテーブルとチェアを組み合わせた場合、以下の画像のようなシンプルでぬくもりのある空間を作れます。
床の色と家具の色を少しだけずらして近似色を用いることで単調さを避けつつ、統一感を保っています。
この配色は、家具のデザインや素材を変更することで、ナチュラル系からアンティーク系まで幅広く対応可能です。
ホワイト(ホワイトオーク材)とブラックの組み合わせ
ホワイト(ホワイトオーク材)の床とブラックの家具を組み合わせると、モダンで洗練されたスタイリッシュな空間を作り出せます。
ホワイトオークの床は空間を明るく開放的に見せる効果があり、清潔感を演出するベースカラーとなるでしょう。
そのような空間に、ブラックの家具を配置すると美しいコントラストを生み出すアクセントとなり、空間に上品さと深みを与えます。
以下の画像では、ホワイトがベースの空間にブラックのチェアとダークグレーのソファが美しく映えています。
ブラック色の家具の適切な配色バランスは、シンプルで視覚的に引き締まった印象を作ります。
上記の画像のように空間の色は、色数が少ないほどおしゃれにしやすいため、実践してみてください。
ホワイト(オーク材などに塗装)とホワイト色の組み合わせ
ホワイトの床にホワイトの家具が設置されている空間は、明るく清潔感が感じられるのが特徴的です。
壁やカーテンなどもホワイトでまとめることで、広々とした印象を与え空間の開放感が際立ちます。
例えば、以下の画像のようなリビングは、清潔感と開放感があり快適に過ごしやすいインテリア空間といえます。
ホワイトは光を反射しやすいため、自然光が入ると空間全体がより明るく感じられます。
一方で、すべてがホワイトの場合、単調になりがちなためアクセントとしてクッションやラグ、絵画などを取り入れることも検討しましょう。
ホワイトの床は汚れが目立ちやすいため、こまめに掃除を行い清潔な空間を維持することが重要です。
特定のインテリアスタイルを表現しやすい床の色
モダンや北欧などのインテリアスタイルには、合わせやすい床の色があります。
全体的なインテリアを細かくイメージできない状態でも、注文住宅やリフォームでは施工日程の関係で床の色を決めなければいけない場合が発生するかもしれません。
そのようなときに「この色の床が合いやすい」とわかっていれば、決めやすくなります。
事前に、以下のインテリアスタイルに合わせやすい床の色を確認していきましょう。
- モダンスタイル
- ナチュラルスタイル
- 北欧スタイル
- アンティークスタイル
- 和モダンスタイル
モダンスタイル
モダンスタイルにおすすめの床の色は「ダークブラウン(ウォールナット材)」です。
洗練された印象を与え、モノトーンや金属、アルミ素材の家具と相性がよく、高級感を演出できます。
ダークブラウンの色で空間を引き締める効果があり、シックで都会的な雰囲気を作り出すのが特徴です。
ただし、ホコリや傷が目立ちやすいため、日常的に掃除を行い美しいインテリアを保ちましょう。
ナチュラルスタイル
ナチュラルスタイルにおすすめの床の色は、「明るいベージュやライトブラウン(オーク材、メープル材)」です。
自然素材の家具やインテリアグリーンと調和しやすく、明るいトーンがナチュラルな雰囲気を引き立てます。
柔らかく暖かみのある印象を与え、リラックスしやすい空間を演出できるのが特徴です。
明るい床色は汚れや髪の毛などが目立ちやすいため、きれいに掃除することを心懸けましょう。
北欧スタイル
北欧スタイルに合わせやすい床の色は、自然素材の雰囲気が出やすい「ブラウン」に加えて、「ホワイトやライトグレー(ホワイトオーク材、オーク材、シカモア材)」もおすすめです。
明るくシンプルなデザインと調和し、ぬくもりのある空間を演出する効果があります。
アクセントカラーとの相性もよく、暗い冬が長い北欧の暮らしを明るく演出します。
アンティークスタイル
アンティークスタイルには、「ダークレッドや濃いブラウン(チェリー材、チーク材)」の床が最適です。
アンティーク家具のクラシックなデザインの装飾が映え、高級感と重厚感を演出します。
一方で、濃い床の色は部屋を暗く見せる可能性があるため、壁や天井には明るい色を合わせましょう。
和モダンスタイル
和モダンスタイルには「ミディアムブラウン(オーク材)」の床がおすすめです。
和室で伝統的に使われ続けてきた木材のぬくもりと、モダンデザインのシンプルさを融合させた空間を作りやすくなります。
床の色が調和しやすいように、置き畳や障子の色は慎重に検討しましょう。
オーク材の床によって和の要素が強くなりすぎる場合は、家具や照明などでモダンさを加えてバランスを取りましょう。
まとめ
床の色は、インテリア空間全体の印象を大きく左右する重要な要素です。
床の色選びでは、インテリアの配色バランスや家具との調和、さらに部屋の用途や採光状況を考慮することが大切です。
また、ナチュラル色やブラウン色、ダークブラウン色など、それぞれの色の特徴を理解し、目的に合った床材を選ぶことで、理想的な住空間を実現できます。
床と家具の組み合わせも工夫して素敵なインテリアライフを手に入れましょう。