木製のダイニングテーブルは塗装(仕上げ方)によって、メンテナンス方法などの特徴が違います。
しかし、インテリアショップなどで塗装の種類を見ただけでは、どれがいいのかわからないですよね。
以下のような悩みで購入をためらっている方もいます。
・メンテナンスしやすいのはどの塗装?
・塗装のメリットとデメリットを購入前に知りたい
このような悩みを解決するために、本記事では以下の内容を解説します。
・各塗装のメリット・デメリット
・各塗装はどのような方におすすめなのか
本記事を読むと、塗装の種類が原因でダイニングテーブル選びに失敗するのを防止できます。
また、素敵なテーブルで食事の時間を快適に過ごせるようになるでしょう。
ダイニングテーブルの塗装の種類
ダイニングテーブルを購入するときに、サイズやデザインと同じくらい重要なのが「塗装の種類」です。
塗装の種類によって見た目や木の風合いの感じ方、メンテナンス方法などが変わります。
ダイニングテーブルの塗装は以下の4種類が多く使われています。
- ウレタン塗装
- オイル塗装
- UV塗装
- ラッカー塗装
ダイニングテーブルの天板の仕上げには、ウレタン塗装とオイル塗装が多く見られます。
塗装の特徴を確認しておくと、ダイニング空間をきれいな状態で維持しやすくなります。
ウレタン塗装|水拭きで美しさを維持できる
ウレタン塗装には以下、3つの特徴があります。
- ウレタン樹脂の塗膜を作る
- 塗膜で天板を保護する
- ツヤ感が出る
ウレタン塗装は、ウレタン樹脂をテーブルに吹き付けて天板表面に塗膜を作ります。
この塗膜は、汚れや傷からダイニングテーブルを守る効果があります。
塗膜がなければ天板が保護されずに剥き出しの状態になるため、傷や汚れがつきやすくなるので注意しましょう。
また、塗膜によってダイニングテーブルの表面に少しツヤ感が出るため、美しいダイニングを演出可能です。
ツヤ感が好みでない方は、ツヤ消しウレタン塗装のダイニングテーブルが向いています。
ウレタン塗装のメリット
ウレタン塗装のメリット・デメリットは、ダイニングテーブルのメンテナンスに大きく関わります。
きれいな状態を維持するために、事前に確認しておくことが大切です。
ウレタン塗装のメリット |
・水拭き可能 ・輪染みができにくい ・オイル塗装と比べると乾燥に強い |
ウレタン塗装のメリットは、水拭きが可能な点です。
塗膜が水の浸水を防いでくれるため、水拭きで汚れを落として美しい状態を維持しやすいのが特徴的です。
水滴が着いたコップを置いても輪染みができず、濡れるだけなのできれいなタオルで拭けば問題なくきれいなテーブルになります。
ウレタン塗装のデメリット
ウレタン塗装のデメリット |
・傷の補修が自分でできない ・傷の補修に費用がかかる ・熱いものを置いた跡は白く変色しやすい |
ウレタン塗装の大きなデメリットは、ダイニングテーブルに傷がついたときに自分で補修ができない点です。
浅い傷が付く場合は、表面の塗膜に傷が付き白い跡が残る場合があります。
深い傷が付くと、ダイニングテーブル本体まで傷が達して劣化の原因になることもあります。
傷を補修するためには、専門の工場などでウレタン塗膜をきれいに落とさなければいけません。
この作業は家具メーカーの工場でも困難なため、きれいな元の状態には戻りにくく、修復作業が可能な場合でも費用が発生します。
また、熱いものを置いた箇所は白く変色しやすいので注意しましょう。
熱いカップや鍋を置く際には、必ずシートを活用してください。
オイル塗装|DIYできれいに元通り
オイル塗装の特徴は、以下の4つです。
- オイルを天板に染み込ませている
- 塗膜を作らない
- 傷付いたら自分で補修可能
- 木材に合わせたオイルを使用する
オイル塗装のダイニングテーブルは、オイルを木材に染み込ませるため塗膜を作りません。
そのため、テーブルに傷が付いたり落とせない汚れが付着したりした際は、自分の手で補修できます。
傷ついたダイニングテーブルを補修する際は、色艶を出すためにオイルを塗りますが、木材の種類によって使用するオイルが異なります。
木材に合わせた色のオイルがあるため、使用する際に種類を間違えないように注意しましょう。
オイル塗装のメリット
オイル塗装のメリット |
・自分で補修が可能 ・補修費用が節約できる ・木の風合いを感じられる |
オイル塗装の大きなメリットは、塗膜を形成しないためDIY作業で補修ができる点です。
自分の手でダイニングテーブルを補修すると愛着が湧きやすく、大切に思える家具を長く使用できます。
さらに、費用をかけずにきれいな状態を維持しやすいのもメリットです。
また、塗膜がないため、木の風合いや経年変化を味わいやすく、オイル塗装は木製家具が好みの方にはうってつけの仕上げ方法です。
オイル塗装のデメリット
オイル塗装のデメリット |
・補修が手間 ・輪染みや汚れが付きやすい ・水拭きができない |
オイル塗装の大きなデメリットは、補修に手間がかかることです。
ヤスリで傷や汚れを削り、オイルを塗り直して乾かす時間も必要なため、補修作業が終わるまでの1〜2日はダイニングテーブルが使用できなくなります。
ほかにも、塗膜がないため熱いマグカップを置いたり、水滴が結露しているグラスを置いたりすると、輪染みや汚れが付いてしまいます。
水拭きすると、水分が浸透したり水拭きの跡が残ったりしてしまう場合もあるため、注意しましょう。
乾拭きで汚れを落とし、普段からきれいに保つことが重要です。
オイル塗装のダイニングテーブルの補修方法|無垢材の天板
オイル塗装の天板は、ヤスリで削って傷をきれいに消し、オイルを塗り直すことできれいなテーブルに復活します。
オイル塗装の木製ダイニングテーブルの補修方法は、以下の通りです。
2.ヤスリは粗い目のものから細かい目に少しずつ変える
3.見た目でテーブルの傷が消え、手で触っても傷による段差がわからなくなるまで削る
4.傷ついていない部分も全体的にヤスリをかける(ヤスリで削った部分と、削っていない部分に段差や色の違いが出てしまうため)
5.削った木の粉をタオルなどできれいに落とし、オイルを塗装できる状態にする
6.オイルを柔らかいタオルやウエスに塗布して、テーブル全体にオイルを塗っていく
7.削っていない箇所との色の濃さに差が出ないように何回か重ね塗りする
8.天板の中に染み込んでいくと、塗り始めよりも少し薄くなるため必ず何回か重ね塗りする
9.風通しのよい日陰で乾かして完成
10.完全に乾くまで使用しないこと
UV塗装|優れた耐久性で美しさを維持する
UV塗装は聞きなれない仕上げ方法かもしれませんが、ウレタン・オイル塗装と同様に頻繁に見かける家具の仕上げ方法です。
UV塗装とは、UV塗料をダイニングテーブルの天板に塗布し、そこに紫外線を照射して硬い塗膜を形成する仕上げ方法です。
UV塗装の特徴は、以下の通りです。
- 硬い塗膜で強度が高い
- 長期間にわたって使用しやすい
- 光沢が出る
- 環境に配慮し、有機溶剤を使用していないため比較的安全な塗料である
UV塗装は、紫外線によって固定された塗料を使用します。
UV塗装仕上げのダイニングテーブルは強度が高く、耐水性などにも優れているため長期間にわたって使用可能です。
UV塗装のメリット
UV塗装は、馴染みのない仕上げ方法なのでメリットとデメリットを確認しておくと、ウレタン塗装やオイル塗装と比較できます。
複数の塗装仕上げを比較できると、ダイニングテーブル選びの後悔を減らせます。
UV塗装のメリットは、以下の通りです。
UV塗装のメリット |
・耐久性 ・防汚性 ・耐水性 ・耐薬品性 ・メンテナンスが容易 ・光沢感による美しいな仕上がり |
UV塗装のメリットは、硬い塗膜による耐久性の高さです。
傷がつきにくく、熱や薬品にも強いため美しさを長期間維持できます。
また、水拭きが可能なため汚れが付着した際にメンテナンスが行いやすいのもおすすめポイントです。
さらに、上品なツヤ感があるため高級感を演出できるでしょう。
UV塗装のデメリット
UV塗装のデメリット |
・傷が入ると補修ができない ・工場でも修復は難しい ・専門的な技術と設備が必要なため、DIYは困難 ・木製の場合、木のぬくもりは感じにくい |
UV塗装のデメリットは、傷つくと補修が難しいことです。
UV塗装の塗膜が硬いため、塗膜を剥がす作業ができません。
家具メーカーの工場でも補修作業は難しいでしょう。
そのため、目立つ傷がついてしまうと、買い替えを検討しなければいけません。
お気に入りのダイニングテーブルを長期間使用するために、丁寧に扱いましょう。
ラッカー塗装|カラフルなダイニングテーブルに最適
ラッカー塗装とは、家具や楽器、車などに使われる塗装の一種で、速乾性がありツヤのある仕上がりになります。
ホームセンターで販売されているスプレー缶はラッカー塗料なので見たことがある方は多いのではないでしょうか。
色のバリエーションが豊富なため、商品があれば自宅のダイニング空間に適切な色や好みの色を選べます。
ラッカー塗装のメリット
色彩豊かなダイニングテーブルの多くは、ラッカー塗装仕上げになっています。
一見するとカラフルでおしゃれなダイニングテーブルですが、購入後に後悔しないようにメリットとデメリットを確認しておきましょう。
ラッカー塗装のメリットは、以下の通りです。
ラッカー塗装のメリット |
・塗膜が薄いため木の素材を感じやすい ・塗り直し、重ね塗りが容易 ・手軽にメンテナンス可能 |
薄い塗膜で滑らかな美しい仕上がりが得られます。
ラッカー塗装は塗装が薄く、重ね塗りや塗り直しが簡単なため、メンテナンスしやすいことが大きなメリットです。
ダイニングテーブルが劣化した際は、部分的に重ね塗りをすることで独特の味を演出できます。
ラッカー塗装のデメリット
ラッカー塗装のデメリットは、以下の通りです。
ラッカー塗装のデメリット |
・耐久性が低い ・環境への負荷が大きい ・塗膜が薄い |
ラッカー塗装は、古くなると割れて剥がれやすくなるので注意しましょう。
また、ラッカーの塗膜は薄いため、天板の保護機能が低い可能性があります。
ダイニングテーブルは、傷や汚れに注意しながら使用してください。
各塗装はどのような方におすすめなのか
塗装の種類は、それぞれ特徴が異なるため、おすすめできる方とできない方がいます。
特に、「汚してしまう可能性が高いか」「メンテナンスに困らないか」を軸にして決めるのがおすすめです。
自宅に合う塗装仕上げのダイニングテーブルを選び、満足度の高いダイニング空間を作りましょう。
ウレタン塗装がおすすめの方
ウレタン塗装がおすすめの方は、以下の通りです。
・DIYで補修するのは得意ではない方
・水拭きができるテーブルを選びたい方
・木材の雰囲気や暖かみを感じたい方
小さな子どもがいる家庭には、テーブルが拭きやすいようにウレタン塗装のダイニングテーブルがおすすめです。
食べ物や飲み物をこぼしたり、落書きをする可能性もあるため、水拭きができるウレタン塗装がぴったりです。
メンテナンスがしやすく、オイル塗装ほどではありませんが木材の雰囲気を楽しめます。
一方で、子どもが「汚す」よりも「傷つける」可能性が高ければ、補修ができるオイル塗装がおすすめです。
オイル塗装がおすすめの方
オイル塗装がおすすめの方は、以下の通りです。
・自然素材にこだわりたい方
・ナチュラルインテリアのリビングを作っている方
・自分の手で家具の補修を行うDIYが得意な方
オイル塗装は、自宅がナチュラルテイストのインテリアスタイルの方や木材の風合い、経年劣化を楽しみたい方に向いています。
ウレタン塗装やUV塗装の人工的なツヤ感がなく、木の暖かみを感じやすいためです。
また、塗膜がないため木材の経年変化を楽しめます。
例えば、ウォールナット材のダイニングテーブルであれば、最初は濃いダークブラウン色(焦茶色)ですが、少しずつ明るく深みのあるブラウン色に変化していく様子を楽しめるでしょう。
ほかにも、ダイニングテーブルが傷ついた際に自分で補修ができるため、DIYが好きな方にも向いています。
ダイニングテーブルを削り、傷を消してオイルを塗る作業を楽しめる方は、ぜひオイル塗装のテーブルを選択してください。
UV塗装がおすすめの方
UV塗装がおすすめの方は、以下の通りです。
・メンテナンスしやすいダイニングテーブルを選びたい方
・長期間使いやすいダイニングテーブルを選びたい方
ダイニングテーブルに高級感やモダンさを求める方には、UV塗装が向いています。
UV塗装のツヤや光沢感からは、高級感が感じられます。
また、ナチュラルスタイルよりもモダンスタイルのインテリアを作りたい方は、UV塗装がおすすめです。
厚い塗膜と、鏡面のようなテーブル面の仕上がりにより、モダンさが強調しやすくなるためです。
ダイニングテーブルを買い替えずに、長く使いたい方にもおすすめです。
耐水性、耐久性などに優れているので長期間きれいに使いやすいためです。
一方で、傷付くと補修ができませんので注意しましょう。
ラッカー塗装がおすすめの方
ラッカー塗装がおすすめの方は、以下の通りです。
・水や熱に注意しながら使用できる方
・有彩色のテーブルをインテリアに取り入れたい方
ラッカー塗装は、オイル塗装のような定期的なメンテナンスが不要で、比較的手入れが簡単です。
また、コースターや鍋敷きを使用するなど、熱や水分でテーブルを痛めないように注意を払える方におすすめです。
ラッカー塗装は、色数が多いことが特徴的なので、木製のテーブルにはない色彩をインテリアに取り込めます。
まとめ
ダイニングテーブルの塗装は、以下の4種類です。
- オイル塗装
- ウレタン塗装
- UV塗装
- ラッカー塗装
それぞれにメリット・デメリットがあります。
傷付いた際に補修の可否や、木材の経年変化という特徴を楽しめるかどうかなど、家族の生活・性格も考慮して選択しましょう。
自宅に合うダイニングテーブルを取り入れて素敵なダイニング空間を作りましょう。