ハウスメーカーの就職は本当にやめとけ? 実情と選び方のポイントを解説

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ハウスメーカーへの転職を考えているが、周囲から「やめとけ」といわれ不安に感じてしまう方も多いのではないでしょうか?

ハウスメーカーの営業職はブラックと耳にすることが多く、住宅業界に興味があっても躊躇してしまいますよね。

本記事では、ハウスメーカーへの転職を検討している方に向けて以下の内容を解説します。

・なぜハウスメーカーの営業職はやめとけといわれるのか
・ハウスメーカーの働きやすさとは何か
・どのようなハウスメーカーを選べばよいのか

ハウスメーカーのインテリアコーディネーターとして勤務していたため、営業職の方の働き方も見てきました。

本記事を読むと、ハウスメーカーを含めて住宅業界への転職の参考になるため将来設計に役立つでしょう。

ハウスメーカーの仕事がやめとけといわれる理由

ハウスメーカーの仕事が「やめとけ」といわれる理由は以下の通りです。

・高い目標設定とプレッシャー
・平日休みと週末出勤の勤務形態
・住宅知識があるだけでは販売が難しい
・専門知識と資格が必要
・体育会系の社風
・クレーム対応の負担
・人の入れ替わりが激しい

高い目標設定とプレッシャー

ハウスメーカーの営業職は、高い目標設定やノルマが課されている企業が多いです。

月間・四半期・年間といったサイクルで「売上目標」や「粗利〇〇万以上」などの目標が設定されています。

それに伴うプレッシャーが常につきまとう仕事として知られています。

ノルマを達成するために、常に顧客との商談や契約獲得に追われる日々が続いてしまう人がいるのも事実です。

目標未達成の場合には、厳しい叱責や評価に繋がることも少なくありません。

私が勤めていたハウスメーカーでは、昔は年間ノルマを達成していない営業職の方は場合によっては実質クビになっていました(救済措置もありましたが)。

目標達成へのプレッシャーは常に付きまとい、精神的な負担が大きくなるケースも少なくありません。

平日休みと週末出勤の勤務形態

ハウスメーカーの営業職は基本的に平日休み、もしくは水曜日と日曜日が休みになっている場合が多いです。

顧客の時間の都合に合わせて動かなければ営業活動はできません。

一般的には土日祝日が休日の方が多いため、ハウスメーカーの営業職は平日休みで週末に動くことになります。

一方で、その平日にも休みを取ることが難しい場合があります。

契約後に進む住宅工事の準備や、住宅設備・建材メーカーなどとのやり取りを平日に行うためです。

工期は決まっているため、遅れが生じないように進めなければいけません。

日程調整が上手くできなければ、休日出勤や残業が発生します。

家族との時間やプライベートな時間を確保することが難しく、ワークライフバランスを保つのが難しいと感じる人も少なくありません。

住宅知識があるだけでは販売が難しい

住宅に関する専門知識や資格を持っているだけでは、営業成績につながりません。

顧客とのコミュニケーション能力や販売戦略、プレゼンテーション能力など、営業スキルも非常に重要です。

顧客のニーズを的確に把握し、共感を得ながら、自社の商品やサービスの魅力を伝えることが求められます。

単に知識を詰め込むだけでなく、顧客との信頼関係を築き、ニーズを満たす提案力を持つことが重要です。

専門知識と資格が必要

前述のように、住宅の専門知識だけで住宅の販売は困難ですが、ベースとして住宅に関する専門知識と資格は必須です。

建築基準法や構造、素材、設備、資金計画など、専門的な知識を取捨選択し、商談の流れに合わせて的確な提案をする必要があります。

また、最新の住宅トレンドや設備・建材などの新製品にも常にアンテナを張り、顧客のニーズに応えられるように学び続けなければいけません。

専門知識の不足は顧客からの信頼を失うだけでなく、営業成績にも悪影響を及ぼす可能性があります。

体育会系の雰囲気

ハウスメーカーのなかには体育会系の雰囲気が強い企業もあり、厳しい上下関係や、上司や先輩からの叱責や指導が厳しい場合も多いです。

悪しき全時代的な風習が残っている企業もあります。

精神的に追い詰められてしまうケースも少なくありません。

また、社内イベントや飲み会など、プライベートな時間まで仕事に縛られるような状況になることもあります。

このような社風は個人の価値観や考え方と合わない場合、大きなストレスにつながってしまいます。

クレーム対応の負担

住宅は高額な買い物であり、顧客の期待も高いためクレームが発生する可能性も高いです。

どんなに慎重に打ち合わせを重ねても、目の前にないものを新しく作り上げるため、「イメージと違う」というクレームも発生しやすいです。

また、営業、インテリアコーディネーター、設計士、現場監督、職人など多くの人が関わるため、少しの伝達ミスで顧客の要望と異なるものができてしまいます。

少しのミスで大きなクレームが起こりやすいのです。

ハウスメーカーの営業担当者は、顧客からのクレーム対応にも責任を負う必要があり、ときには厳しい言葉や要求にさらされます。

クレーム対応は時間的にも精神的にも負担が大きく、冷静かつ適切に対応することが求められます。

顧客満足度を高め、トラブルを未然に防ぐための努力が不可欠です。

人の入れ替わりが激しい

ハウスメーカーの営業職は、企業によっては離職率が高い傾向にあります。

高い目標設定やプレッシャー、厳しい労働環境などが離職の原因として挙げられます。

そのため、経験豊富なベテラン社員や新人社員がいても、中間層となる社員がいないケースがあります。

継続して働きにくい環境であれば、多くの人から「やめとけ」といわれることも仕方のないことかもしれません。

ハウスメーカーの営業職へ転職が向いている人

やめとけ、と聞くことが多いハウスメーカーへの就職ですが、ハウスメーカーへの転職が向いている方もいます。

・インセンティブによる高収入を得たい人
・専門性を生かして働きたい人
・人とのコミュニケーションが得意な人

インセンティブによる高収入を得たい人

企業によっては、営業職にインセンティブ制度を導入しています。

契約金額に応じて会社規定のパーセンテージを収入に追加する制度です。

例えば、1件で3,000万円の契約が取れたら1%のインセンティブが入る場合、30万円が給与に追加されます。

企業によって契約金額か粗利金額か、また何%か、そもそもインセンティブがあるのかは異なります。

営業が得意で、高収入を狙いたい方にはおすすめです。

専門性を生かして働きたい人

ハウスメーカーの営業では、住宅建築について専門的な知識・経験が必要です。

二級建築士、一級建築士、その他住宅に関わる資格を持ち専門的なスキルを活かして働きたい方にはおすすめです。

また、住宅業界は建築士や設計士、インテリアコーディネーターなど多くの専門職の方と連携して働きます。

自身の専門性との相乗効果でスキルアップにつながる可能性があります。

人とのコミュニケーションが得意な人

営業職は、コミュニケーションスキルが重要な職種です。

顧客の要望を聞き出し、潜在的なニーズも考慮してさまざまな提案を行い、信頼を得て契約にたどり着きます。

人と話すことやプレゼンが苦手な方には困難な業務となるでしょう。

仕事が上手くいかず、ストレス過多になってしまう可能性もあります。

すべてのハウスメーカーがブラックではない

考え方によっては、すべてのハウスメーカーがブラックとは言いにくい現状があります。

以下の内容から解説します。

・ハウスメーカー営業職の離職率
・営業職自体が向いていない可能性がある
・すでにハウスメーカーの営業職を他社で経験している

ハウスメーカー営業職の離職率

厚生労働省が発表する「雇用動向調査」で、ハウスメーカーの営業も含まれる不動産業・物品賃貸業全体の離職率は15.4%です。

数字で見ると離職率が高いほうですが、飛び抜けて高いわけではないのです。

「令和4年雇用動向調査結果の概況」で離職率の高い上位3業界は、以下の通りです。

・宿泊業、飲食サービス業:26.8%
・サービス業(他に分類されないもの):19.4%
・生活関連サービス業、娯楽業:18.7%

ハウスメーカーの営業職の離職率は、企業によって大きく異なります。

厳しい労働環境や高い目標設定が原因で離職するケースもあれば、充実した教育制度や働きやすい環境が整っている企業では、離職率が低い傾向にあります。

従業員の働きやすさを重視し、ワークライフバランスをサポートする企業もあれば、厳しいノルマや長時間労働が当たり前となっている企業もあるでしょう。

離職率は、企業の労働環境や社風、福利厚生などを反映しているといえるでしょう。

営業職自体が向いていない可能性がある

営業職は顧客とのコミュニケーション能力やプレゼンテーション能力、目標達成への強い意志などが求められます。

営業職自体が辞めた人に合っていなかっただけで、会社の制度や福利厚生、教育制度、給与、休日は充実していたかもしれません。

ハウスメーカーの営業職を辞めた人に話しを聞いたり、口コミを確認したりする際は冷静な判断が必要です。

すでにハウスメーカーの営業職を他社で経験している

すでにハウスメーカーの営業職を経験している場合は、転職先でスムーズに活躍できる可能性があります。

住宅業界の知識や経験、顧客とのコミュニケーション能力、営業スキルなどを活かしてより高いレベルで仕事に取り組めるでしょう。

ただし、過去の経験やスキルがすべて通用するわけではなく、新しい環境に適応する努力が必要です。

「やめとけ」といわれないためのハウスメーカー選び

「やめとけ」と、いわれないための企業の選び方は、以下の3つです。

・労働環境を重視して選ぶ
・キャリアアップが期待できる企業を選ぶ
・ライフスタイルに合った働き方ができる企業を選ぶ

労働環境を重視して選ぶ

ハウスメーカーの企業選びでは、労働環境を重視することが重要です。

残業時間や休日取得、ワークライフバランス、社風、福利厚生などを事前に調べるようにしましょう。

会社のホームページや口コミサイト、転職サイトなどを参考にして実際に働いている社員の声を聞くことも大切です。

キャリアアップが期待できる企業を選ぶ

キャリアアップを希望する場合は、教育制度や研修プログラムが充実している企業を選びましょう。

社員の育成に力を入れており、スキルアップやキャリアアップを支援する制度が整っていると長期的な視点でキャリアプランを立てられます。

また、資格取得支援制度や社内公募制度など、社員のキャリアパスをサポートする制度があるかどうかも確認しましょう。

ライフスタイルに合った働き方ができる企業を選ぶ

ライフスタイルに合った働き方ができる企業を選ぶことも重要です。

ハウスメーカーの営業職は、休日は平日になり、土日祝日は休みにくい業界です。

休日など、自分のライフスタイルに合うのかを確認した上で企業・職種を選びましょう。

また、転勤の有無や頻度なども事前に確認しておきましょう。

ハウスメーカーの営業職への転職は慎重に検討する

ハウスメーカーの営業職は、高い目標設定やプレッシャー、厳しい労働環境など、厳しい面があります。

一方で、平日休みを許容でき、営業や人とのコミュニケーションが得意な人には向いている職種です。

昔ながらの風習が残っている企業などもあるため事前にリサーチした上で、慎重な企業選びが大切です。

自分の適性や価値観に合った企業を見つけて素敵な人生を手に入れましょう。

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