マットレスの硬さの選び方を紹介|体の沈み込みとマットレスの種類に注目

おしゃれな寝室 家具

マットレスを選ぶ際は、個人に合う適切な硬さのものを選ぶと快適に眠りやすくなります。

しかし、以下のような悩みで困っていませんか?

・マットレスの硬さはどれが合うのかわからない
・マットレスにどのような種類があるのかわからない

マットレスには多くの種類があり、それぞれの種類によって硬さが異なるため、どれがよいのかわからないこともあります。

そこで本記事では、以下の内容を紹介します。

  • ・マットレスの硬さの選び方を解説し、選ぶ際に自分に合うものを判断しやすくします。
  • ・マットレスの種類と特徴がわかるため、マットレス選びに失敗しにくくなります。
  • ・マットレスを美しく保つメンテナンス方法がわかります。

インテリア業界で10年勤務し、何件もの寝室のインテリアコーディネートを経験してきた私が解説します。

本記事を読むと、適切な硬さのマットレスを選び素敵な寝室のインテリアライフを過ごせるようになります。

心地よい3種類のマットレスの硬さ|体の沈み込みに注意

心地よい3種類のマットレスの硬さ

快適な睡眠を得るためには、自分に合ったマットレスの硬さを選ぶことが大切です。

適切な硬さのマットレスは体圧を均等に分散させ、寝ている間に体への負担を軽減します。

これにより、良質な睡眠を確保し、日々の疲労の回復につなげられます。

理想的なマットレスの3種類の硬さは、以下の通りです。

  • 腰が不自然に沈み込まない硬さ
  • 苦労なく寝返りができる硬さ
  • マットレスと腰・背中の間に隙間ができない硬さ

腰が不自然に沈み込まない硬さ

柔らかすぎるマットレスは腰が深く沈み込み、体に負担をかける原因となります。

特に腰は体の中で最も重い部分であるため、適切に支えられないと、寝ている間に過剰な負荷がかかり、腰痛を引き起こす可能性があります。

理想的な寝姿勢は、立っているときの自然な背骨のS字カーブがそのまま横になった状態で保たれる状態です。

この姿勢を維持するためには、柔らかすぎるマットレスを避け、体圧を均等に分散できる適切な硬さのものを選ぶことが重要です。

マットレスと腰・背中の間に隙間ができない硬さ

マットレスと腰・背中の間に隙間ができない硬さ

横になったとき、体とマットレスの間に生じる隙間は、体圧を適切に分散できない原因となります。

そのため、隙間ができないようなマットレス選びが重要です。

仰向けで寝た際には、背中や腰、膝の裏がしっかりとマットレスに接している状態が理想的です。

このためには、体を適度に支えながらも必要な箇所で沈み込むバランスの取れた硬さのマットレスを選びましょう。

また、硬めのマットレスを選ぶ場合でも、表面に適度な柔らかさがあるタイプを選ぶことで、快適さとサポート力を両立できます。

苦労なく寝返りができる硬さ

適度な弾力と硬さを備えたマットレスであれば、寝返りがスムーズに行えます。

寝返りは、睡眠中に体への負荷を分散させるために必要な動きであり、質の高い睡眠に欠かせません。

朝起きたときに疲労感が残っている場合、寝返りがうまくできていない可能性があります。

これにより体の一部に重力の負担が集中し、睡眠の質が低下していることが考えられます。

快適な眠りを確保するためには、寝返りのしやすさが重要なポイントです。

購入前に、実際に横になって寝返りのしやすさを試し、自分に合ったマットレスを選びましょう。

 

マットレスの硬さは、数値N(ニュートン)で表記されていることもありますが、ニュートンでの判断はあまりおすすめできません。

その内容と理由について以下で解説します。

マットレスの硬さを表す数値N(ニュートン)で判断しない

マットレスの硬さを表す数値「N(ニュートン)」は、マットレスの硬さを客観的に示す指標として使われます。

しかし、ニュートンの数値を参考にするのはおすすめしません。

その理由は、以下の通りです。

  • 消費者庁が示す数値が実際の硬さの感覚と異なる
  • マットレスの厚みを考慮した数値になっていない
  • マットレスの構造はN値で検討しにくい

消費者庁が示す数値が実際の硬さの感覚と異なる

消費者庁が示す硬さの数値は、以下の通りです。
区分 用語(表示名)
110ニュートン(11重量kg)以上 かため
75ニュートン(7.5重量kg)以上110ニュートン(11重量kg)未満 ふつう
75ニュートン(7.5重量kg)未満 やわらかめ

 

110ニュートンは「ふつう」になっていますが、実際には「少し柔らかい」と感じる方が多いです。

150〜200ニュートンほどで「やや硬い〜硬い」と感じる方が多い印象です。

マットレスの厚みを考慮した数値になっていない

N値は、厚さ50mm±2mmの試験片を40%まで圧縮し、その際にかかる荷重を測定して求めます。

しかし、マットレスは、厚みがあるほど柔らかく感じやすいため、硬さの感じ方に差が生じやすいのです。

例えば、マットレスの厚みが増すと柔らかく感じられたり、反発性はN値とは別の要素であるため、低いN値でも高反発のマットレスが存在します。

マットレスの構造からN値で硬さを検討しにくい

マットレスは、複数の硬さのウレタンを積み重ねて微妙な調整を行い、理想の寝心地を追求して製作されています。

複数の硬さが混合されているため、単純なN値だけを参考にしても硬さの感じ方がマットレス次第で異なってしまいます。

マットレスの硬さの選び方

マットレスの硬さの選び方

適切な硬さのマットレスの選び方がわかると、睡眠の質を向上させやすく疲労回復やストレスの軽減にもつながる可能性があります。

マットレスの硬さの選び方は、以下の通りです。

  • 寝る体制から選ぶ
  • 体重を基準に選ぶ
  • 好みから選ぶ
  • マットレスの種類で選ぶ

寝る体制から選ぶ

寝る体制から選ぶ

横向きに寝る方と仰向けに寝る方で、おすすめのマットレスは異なります。

  • 横向きに寝る方:柔らかめのマットレスがおすすめ
  • 仰向けに寝る方:硬めのマットレスがおすすめ

柔らかいマットレスでは、横向きに寝ると背骨がまっすぐ一直線になるため局所的な負担がなく、理想的な寝姿勢になるためおすすめです。

硬いマットレスで横になって寝ると、肩や腰などが沈み込まないため背骨が曲がり、体に負担がかかる寝姿勢になってしまうため注意しましょう。

仰向けで寝る方は、ある程度硬さのあるマットレスを選ぶと腰や背中が沈み込みにくいため快適に寝やすいでしょう。

体重とBMI値を基準に選ぶ

体重とBMI値を計算すると、マットレスの硬めと柔らかめのどちらがよいのか、方向性を判断できます。

BMI値とは、ボディマス指数と呼ばれる体格指数で以下の計算式で求めます。

BMI値 = 体重(kg) ÷ 身長の2乗(m)

マットレスの硬さを選ぶ際の、体重とBMI値の判断基準は以下の通りです。

体重 BMI値 マットレスの硬さ
標準より多い 25以上 硬め
標準 18.5~25未満 普通
標準より少ない 18.5未満 柔らかめ

自分の体重から、マットレスの硬さを選ぶ判断基準を確認してみてください。

好みから選ぶ

特定のマットレスに好みがある方や、今まで長期間にわたり同じマットレスを使用してきた方は、自分の「好み」や「慣れ」から選ぶのが向いています。

長期間使用したマットレスの硬さに慣れている場合、寝にくくなる可能性があります。

例えば、硬めのマットレスが合う方が、柔らかいマットレスを急に使用すると違和感を感じてしまう可能性があるので注意しましょう。

好みや慣れを考慮してマットレスを選ぶと、購入の失敗を低減できます。

マットレスの種類で選ぶ

マットレスの種類は中身の構造や表面の触り心地、サイズなどさまざまな種類があります。

横幅は、寝返りしてもベッドから落ちない幅にしましょう。

マットレスのサイズで見落としがちなのが「高さ」です。

マットレスとベッドフレームを合わせて、立ち座りがしやすい高さになるマットレスを選びましょう。

朝ベッドから出る際の移動や、寝る前のちょっとした休憩が行いやすくなります。

 

マットレスの構造に関する種類は、以下で解説します。

マットレスの種類から適した硬さを選ぶ

マットレスの種類から適した硬さを選ぶ

寝やすい硬さのマットレスを選ぶために、マットレスの種類と特徴について確認しましょう。

マットレスの種類は以下の通りです。

  • ボンネルコイルマットレス
  • ポケットコイルマットレス
  • 低反発マットレス
  • 高反発マットレス
  • 高弾性マットレス
  • 高反発ファイバー
  • ほどよい硬さのマットレス
  • ラテックス

ボンネルコイルマットレス

ボンネルコイルマットレスは、コイル同士を連結した構造が特徴で、頑丈で耐久性に優れています。

体を「面」で支えるため安定感がありますが、ポケットコイルのような体に沿った「点」での支えがないため、体とマットレスの間に隙間ができる場合があります。

この隙間を埋めるために、表面が適度に柔らかい素材が使用されているか確認が必要です。

コイルの量が少なく価格が比較的安価なため、一人暮らしや予算を抑えたい方に適しています。

ただし、横揺れが伝わりやすい点がデメリットです。

ポケットコイルマットレス

ポケットコイルマットレスは、内部に数百個の独立したコイルスプリングが、一つひとつ筒状の袋に入った状態で敷き詰められています。

体の動きに沿ってコイルが動くため、体圧を適度に分散して快適な寝心地を得られるでしょう。

一方で、内部はコイルが密に詰まっているため、湿気が溜まりやすい構造です。

湿気が溜まるとカビや劣化の原因となるので、陰干しなどで対応してください。

低反発マットレス

低反発マットレスは、体が包み込まれるような柔らかさが特徴的なマットレスです。

体圧分散性に特に優れており、横揺れも気にならないでしょう。

柔らかいマットレスを求める方は寝やすい可能性が高いでしょう。

一方で、低反発マットレスの特徴として、以下のデメリットがあります。

  • 体を跳ね返す力が弱い
  • 寝返りがしづらい
  • 腰が沈み込みすぎる可能性がある
  • 通気性が悪く、蒸れやすい
  • 重たいので移動やメンテナンスが大変

人によっては寝返りがしづらく腰痛を引き起こす可能性があるため、必ず購入前に試し寝をして感触を確かめてください。

重量があるので、マットレスの陰干しやシーツ交換などの際に取り扱いが難しい可能性があります。

マットレスは、メンテナンス性や重量も考慮して選びましょう。

高反発マットレス

高反発マットレスは、寝姿勢のサポート性が十分にあり寝姿勢が崩れにくいのが特徴です。

寝返りが楽なので、腰への負担も少なくおすすめです。

しかし、人によってはマットレスを少し硬く感じる場合があります。

体格がよい方や腰痛が気になる方におすすめですが、一方で細身の方や華奢な体格の方はマットレスが硬すぎないか必ず確認してください。

高弾性マットレス

高弾性マットレスは、弾力性に優れており寝返りしやすいマットレスです。

高反発マットレスと名称が似ていますが、弾力性と柔軟性がより優れており適度な反発弾性により寝返りをスムーズに行えます。

体への負担がかかりにくいため、寝ても疲れが取れない方に向いています。

高反発ファイバー

高反発ファイバーのマットレスは、非常に硬い寝心地が特徴です。

高反発ファイバーの原料であるポリエチレン繊維は、通気性に優れ、シャワーで丸洗いできる点がメリットです。

マットレスが硬いため、横になった際に体とマットレスの間に隙間ができないように工夫しましょう。

ラテックス

ラテックスはゴムの木が素材となっているマットレスで、ゴム特有の弾力性と柔らかさがあります。

体にフィットする柔らかさを備えており、体圧分散性にも優れています。

一方で、通気性が低いため、湿気に注意が必要です。

また、素材がゴムのためアレルギーのある人には向いていません。

ほどよい硬さのマットレス

硬すぎず柔らかすぎることもない、ほどよい硬さのマットレスを選ぶのもおすすめです。

さまざまなマットレスを試しても、横になった感触からはどれがよいのか判断できない方もいると思います。

マットレスの硬さから選びにくい場合、耐久性やメンテナンス性を重視してほどよい硬さのマットレスを選びましょう。

マットレスをきれいに維持するメンテナンス方法

マットレスを美しく維持するメンテナンス方法

マットレスを長持ちさせ、美しい状態を保つためには、定期的なお手入れと適切な保管が欠かせません。

毎日の簡単なお手入れとして、起床後に布団をめくりマットレスを換気しましょう。

これにより湿気を逃し、ダニやカビの発生をある程度予防できます。

さらに、定期的に風通しのよい場所で陰干しを行い、直射日光を避けて生地の劣化を防ぎます。

シーツやカバー類を洗濯したり掃除機で表面のホコリや汚れを取り除いたりして、清潔さを維持することも大切です。

湿気の多い季節には除湿器やエアコンのドライ機能を活用し、部屋全体の湿度を管理することが重要です。

湿気による劣化防止のために、両面仕様のマットレスを選ぶこともおすすめです。

両面仕様のマットレスで表と裏を交互に使用すると、ベッドの寿命を延ばしながら湿気対策が可能です。

季節に関係なく、人は寝ている間にコップ一杯分の汗をかくといわれています。

ベッドパッドを敷くと、汗を吸収しベッドへの負担を抑えられます。

まとめ

心地よいベッド

自分に合うマットレスの硬さを選ぶことは、快適な睡眠と健康的な生活に直結します。

以下の内容を考慮して、最適なマットレスを選びましょう。

  • 寝姿勢
  • 体重
  • 好み
  • マットレスの種類

また、選ぶ際は必ず試し寝を行い、自分にとっての心地よさを確認することが大切です。

適切な硬さのマットレスは、体圧を均等に分散し、腰痛や疲労感を軽減します。

さらに、購入後は定期的なメンテナンスを行い、長く快適に使い続けられるようにしてください。

理想のマットレスで快眠を手に入れ、快適な寝室のインテリアライフを手にしましょう。

 

 

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